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猫が水をよく飲むときの危険性。病気以外の原因は?実際猫の飲水量ってどれくらいなの?

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こんにちは。ももたまです!

「あれ?うちの猫、また水飲んでる…」
猫はあまり水を飲まないと言われますが、逆に「飲みすぎじゃない?」と感じたことはありませんか?

実は猫の飲水量が急に増えるのは、病気のサインであることも…。

この記事では、猫が水をよく飲むときの危険性病気以外の原因、そして適切な飲水量の目安を、我が家の猫の実測データも交えて解説します。

猫の適切な飲水量とは

そもそも、適切な飲水量はどれくらいになるのでしょうか。

猫ちゃんの体格や健康状態にもよりますが、大体体重1㎏あたり50mlとするのが一般的です。

DERというちょっと難しい計算式を使うとよいと言われますが、式がややこしいので、大体1kg当たり50mlで考えてしまって問題ありません。

4kgの猫であれば、約200mlの飲水量必要ということになります。

ネコさんの体重DER
1kg120
2kg156
3kg192
4kg228
5kg264
6kg300

ネコさんの体重別DERの目安

nekozuki(ねこずき)ネコ豆知識

何mlから飲みすぎ?判断の目安

それでは、何ml程度からお水の飲みすぎといえるのでしょうか?

適切な飲水量が体重1kg当たり50mlで、環境や個体差を加味してプラス2~3割ほどの差であれば正常の範囲と言えます。

そのため、適切な飲水量のプラス3割を超えると飲みすぎといえます。
この基準を超えてくるようであれば、念のため、病院で相談してみましょう。

例えば、4kgの猫であれば、200ml×130%=260mlからは飲みすぎであるということです。

猫は飲水量が少ない動物なので、飲みすぎることはほとんどありませんが、お水の飲みすぎが病気のサインである可能性があります。

【Tips】実際に我が家で暮らす猫達の飲水量計ってみた

過去に我が家で暮らす猫の飲水量を一日計ってみた記事を公開していますので、ぜひ参考にしてみてください!

飲水量の計測方法も記載してありますので、愛猫の飲水量を知りたいかた必見です!

水をたくさん飲む場合に考えられる病気

それでは、水を飲みすぎている場合、どのような病気の可能性があるのでしょうか。

最悪のケースを考えると、以下のような病気が考えられます。

  • 慢性腎不全
  • 糖尿病
  • 甲状腺機能亢進症
  • 子宮蓄膿症
  • 肝臓や膵臓などに炎症がある場合、腫瘍がある場合

それぞれの病気の症状について解説していきます。

慢性腎臓病

慢性腎臓病とは、老廃物を尿として流す腎臓の機能が低下している状態です。
腎臓は沈黙の臓器と言われていて、症状が出たときには腎臓の機能が1/3まで落ちていることが多く、危険な病気です。

そんな慢性腎臓病は以下のような症状が特徴です。

  • 多飲多尿
  • 食欲不振・体重減少
  • 便秘や下痢
  • 粗相
  • 脱水症状 ※尿として多くの水分が排出されてしまうため
  • 痙攣 ※尿毒症の症状
  • 貧血 ※腎臓は血液を作るホルモンを出す臓器であるため

腎臓病は高齢猫であれば3頭に1頭がかかってしまうメジャーな病気です。

放置すれば死に至るので、初期段階での対処が必要になります。

慢性腎臓病は、特に高齢の猫では3頭に1頭、犬では10頭に1頭の割合で発生する病気です。初期の段階から適切なケアを行うことで、寿命を延ばせるかもしれません。

定期的な健康診断などで早期発見を心がけましょう。

かやま動物病院

腎臓病は、沢山お水を飲んでもほとんどが排尿されてしまって脱水になります。

沢山飲んでいるのに脱水症状があれば腎臓病の可能性が高いと言えそうです。

脱水状態かどうか調べるにはツルゴールテストという方法があります。

脱水状態を確認する方法(ツルゴールテスト)

  1. 背中の皮膚をつまむ
  2. 皮膚が元に戻る時間を測る
  3. すぐ戻れば問題なし。
    戻るのに2~3秒かかる場合は6~8%の脱水。
    戻らない場合は深刻な脱水状態といえる。

慢性腎臓病のステージはステージ1~ステージ4まであり、症状が出ているときにはステージ3まで進行していることが大半です。
そのため、定期的な検診で早期発見が重要です。

多飲であるにもかかわらず、脱水の傾向があれば、今すぐに病院に行ってみてください!!!!

糖尿病

糖尿病とは、膵臓の細胞が破壊されたことによって、血液中の糖を細胞に取り込めなくなり、高血糖が続くことによって体の臓器に障害を起こす病気です。

糖尿病は以下のような症状が見られます。

  • 多飲多尿 ※血液中の糖を尿によって排出しようとするため
  • 食欲増加 ※初期のみ
  • 食欲不振
  • 体重減少 ※細胞が糖を吸収できないため
  • 嘔吐
  • 下痢
  • かかとを付けて歩く ※末梢神経障害
  • 重度の脱水

糖尿病では、エネルギー源となる糖が細胞に取り込まれないため、体は痩せ、代わりに脂肪が代謝されます。
これは「糖尿病性ケトアシドーシス」という状態で命の危険が生じています。

身体に必要な栄養がうまく取り込めていないため、命の危険がある病気です。

多飲多尿であり、体重減少がある場合は、糖尿病の可能性があります。

甲状腺機能亢進症こうじょうせんきのうこうしんしょう

甲状腺機能亢進症は「甲状腺ホルモン」の量が過剰に分泌され、血圧や代謝が上がり、時に性格も変化させる病気です。

「甲状腺ホルモン」は体の代謝を助け、体の活動性を保つために機能しています。
身体の活動が過剰に活発になることで心臓など様々な臓器に負担がかかります。

甲状腺機能亢進症の症状は以下です。

  • 多飲多尿
  • 食欲の異常な増加
  • 食べているのに痩せる
  • 活動的になる
  • 興奮しやすく、攻撃的になる
  • 大きな声で鳴く
  • 落ち着きがない
  • 毛艶が悪くなる
  • 呼吸が早い

心臓にも負担がかかるので、興奮したときに急に気力が抜けてぼんやりした様子になったり、呼吸困難に陥ることがあります。
徐々に体が消耗し、命にかかわる状態になってしまいます。

多飲多尿の症状があったり、落ち着きがなくなったり、呼吸が早い場合などは甲状腺機能亢進症の可能性があります。

子宮蓄膿症

子宮蓄膿症とは、子宮に膿が多量に溜まる病気です。
避妊手術をしていないメス猫に発症する可能性があり、避妊済みであれば発症しません。

子宮蓄膿症の症状は以下です。

  • 多飲多尿
  • 陰部から膿が出る ※膿が外に出ず内部に溜まる閉鎖性の場合もある
  • 食欲不振
  • 吐き気、嘔吐
  • 脱水
  • お腹が膨れる
  • 下痢

治療が遅れると、子宮に菌が増殖することで敗血症になり、命を落とす場合があります。

多飲多尿であったり、陰部から膿が出たいr、吐き気やお腹が膨れるなどの症状がある場合は子宮蓄膿症の可能性があります。

その他

肝臓や膵臓などに炎症がある場合、腫瘍がある場合にも水を過剰に飲むことがあります。
そのため、多飲の症状があれば、念のため病院に行って検査するのが好ましいです。

病気であった場合、早期発見がキーになります。

何にもなかったらそれはそれでデメリットは無いので、何かあった時のことを考えて行動しましょう。自分の猫を守れるのは飼い主だけです。

次は病気以外での原因について解説します。

病気以外の原因

病気以外にも、水の摂取量が増える状況があります。

  • 食事がいつもと違ったとき
  • 食事の塩分量が多かったとき
  • 暑い環境にいたとき
  • ストレス

フードを変えたとき

ウェットタイプのフードからドライタイプのフードに変えた場合も、飲水量が増えます。

ウェットタイプのフードの水分量が約80%に対し、ドライタイプのフードの水分量は10%程度

ウェットフードからドライフードに種類を変えたときは、食事からとれる水分量が減るので、お水を直接飲むことによって水分を賄おうとします。

そのため、ウェットフードからドライフードに変えた際や、フードを変えた場合は、飲水により摂取する水分量が増るのです。

食事の塩分量が多かったとき

食事の塩分量が変化したことで、水を多く飲むようになったということも考えられます。

最近フードやおやつを変えたか、フードやおやつの量が増えたか、トッピングの塩分量がどれくらいかなどを確認してみてください。

ちなみに、猫の1日の塩分摂取量は2~3gと言われています。

◆AAFCOによるナトリウムの基準値

子猫用:0.2g以上/100g中

成猫用:0.2g以上/100g中

最低限の摂取量は記載されているものの、上限値は記載されていません。

その理由は前章でご紹介したように、健康な成猫は自分自身でナトリウムを尿として排出できるためです。

上記をふまえ、また安全性の面を客観的に判断した場合、猫の1日の塩分摂取量は2~3g程度になります。

日本ペットフード

暑い環境にいたとき

夏と冬で水分の摂取量が変わることがあります。

人間もそうですが、暑いときは水を多く摂取する傾向があります。
多く飲むようになったとき、室温はどうだったか確認してみてください。

ストレス

ストレスを抱えていると、自律神経が乱れて水を多く飲むことがあります。

ストレスの原因を探り、できるだけ解消してあげてください。

おすすめのストレス解消おやつを動画付きで紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね!

【Tips】一度に多量の水を飲みすぎたときどうなるの?

一日をかけてお水の量が多いという状況ではなく、

何らかの事故や、飼い主によるスポイトでの過剰な飲水などで猫が一気に多量の水を飲みすぎたときには水中毒という病気になってしまうことがあります。

水中毒

水中毒とは、水を飲みすぎて体液が薄まってしまうことで様々な不具合が起こる病気です。
正式には低ナトリウム血症といいます。

水中毒を発症すると、ぐったりしてふらつきやよだれを垂らしたり嘔吐のような症状があります。
ひどくなると呼吸困難や昏睡、けいれんなどが起きることがあります。
こうした症状がある場合は、すぐに病院を受診しましょう。

猫が自分で自由に水分を摂取している状態なら滅多にないですが、飼い主がシリンジやスポイトでお水を飲ませている場合は注意が必要です。

また、シリンジやスポイトでの摂取以外にも、水遊びをしていたり溺れたりして水を大量に飲んでしまうということも考えられます。

日常でできる観察ポイント

愛猫の健康を守るために、以下のポイントをチェックしておきましょう!

  • 普段の飲水量を把握しておく
  • トイレの回数・尿の量もチェック
  • 飲みすぎが続く場合は早めに受診

まとめ

猫が水を飲みすぎているときには、思わぬ病気が隠れている場合があるので注意が必要です。
少しでも気になる場合はすぐに病院を受診しましょう。

また、病気以外にも環境やストレスによっても飲水量が変化します。

いずれにしても、ご自身の猫ちゃんが普段どれくらいの水分を摂取しているのかを知っていることは重要です。
いざという時に飲水量が少ないか多いかを判断することが出来ますので、健康な子も是非一度計ってみてくださいね。

また、一度に多量の水を飲みすぎたときには、水中毒の危険性があります。
そのため、スポイトでお水を与える際は注意が必要です。

可愛いわが猫を守れるのは自分だけなので、我が家も何か少しでも様子が気になったら迷わず即相談しようの精神でいます。

可愛いわが猫のための調査が、誰かの可愛いお猫様のためになれば幸いです!!!

それではまた明日~~

にんげんの水を飲むたまえさん

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